富山県民会館(富山市新総曲輪4丁目)1階の美術館で3月21日から、アール・ブリュットの企画展「OPEN DOOR!ボーダレス・アート セッション in TOYAMA -HEARTの中にはARTがある-」が行われる。
アール・ブリュット(生の芸術)とは、美術教育を受けていない人たちが、既存の枠組みにとらわれずに自由な表現を行う芸術活動のことを指す。同会場では、知的障がいや発達障がいを持つアーティスト約30人の独創的な作品を展示する。
24日にはゲストを招いた特別講演やトークセッション、映像上映を行い、生の芸術の魅力を多角的に掘り下げていく。「それってアートなの? 多様な人々が暮らす地域社会から生まれる表現について」と題された講演会では、愛知県「高浜市やきものの里かわら美術館」の学芸員・今泉岳大さんがゲスト登壇。アート・ブリュットの調査・研究を行い、企画展も幅広く手掛けてきた今泉さんが、地域とアートの関連性について講演を行う。
今泉さんをはじめ「東海・北陸ブロック 障害者芸術文化活動支援センター」の坂野健一郎さん、アート・ブリュットの取材を重ねてきた「チューリップテレビ」アナウンサーの谷口菜月さんをパネリストに招き、「地域・障害者にとってのアート、そして、アートがつなぐ地域って?」をテーマにしたトークセッションも行うほか、作家・谷内英理菜さんの創作活動を追った映像作品などの上映、翌25日にはワークショップも開く。
同展を富山県と共催するNPO法人「障害者アート支援工房COCOPELLI(ココペリ)」(高岡市)代表で美術作家の米田昌功さんは、「最近注目される障がい者アートに光を当てた企画。福祉や美術といったさまざまな境界を越えた、唯一無二の世界に引き込まれるはず。不思議でユニークなアートに触れてほしい」と話す。
関連イベントとして、2日~4日に「北日本新聞社」新川支社のギャラリーで作品のミニ展示も行われる。
開館時間は10時~18時。入場無料。今月25日まで。講演会、トークショーの時間はホームページで確認できる。