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富山で「暮しの手帖」初代編集長・花森安治の巡回展 異能の編集者の足跡追う

花森安治による表紙原画。『美しい暮しの手帖』(1世紀1号/1948年9月20日刊)に掲載。世田谷美術館蔵

花森安治による表紙原画。『美しい暮しの手帖』(1世紀1号/1948年9月20日刊)に掲載。世田谷美術館蔵

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 富山・高岡市美術館(高岡市中川1、TEL 0766-20-1170)で現在、企画展「花森安治の仕事-デザインする手、編集長の眼(め)」が開催されている。

同展のフライヤー

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 70年近い歴史を持つ生活家庭雑誌「暮しの手帖(てちょう)」の初代編集長である花森安治は、同誌の企画、取材、執筆のみならず、撮影、表紙画、挿絵、レイアウト、広告までを手掛けた「異能の編集者」として知られる。

 1946(昭和21)年、大橋鎭子と共に「衣裳(いしょう)研究所」を設立した花森は女性向けファッション誌「スタイルブック」を刊行。1948(昭和23)年に「美しい暮しの手帖」(後の「暮しの手帖」)を創刊し、30年にわたって編集長として活躍した。

 同誌では戦後復興から高度成長期、そして公害問題が深刻化した70年代に至る激動の時代を反映しながら、衣・食・住にまつわる実用的なテーマを掲げ続けた。中でも編集部総出で日用品・電化製品をテストする「商品テスト」は、公平性を保つために広告は一切載せず、実名を挙げて徹底評価したことで名物企画となった。

 同展では「花森の出版活動をひとつの雑誌を超えた『運動』として捉え、多彩な仕事の中からその思想を探る」をコンセプトに、ジャーナリズムと芸術的側面を持った花森の活動に迫る。
 同誌の表紙原画や直筆原稿から、他社での広告作品まで約740点の貴重な資料を展示。商品テストで評価が高かったイギリス製のストーブの展示や、学生時代、戦時中の仕事も紹介する。

 6月25日に花森の長女・土井藍生さんによる講演会、7月6日・13日には花森の編集術に触れるミニレクチャーも開く。期間中、「ティーラウンジ アーク」では同誌のレシピを基にした限定メニューも提供する。

 開館時間は9時30分~17時。観覧料は一般=800円、高校・大学生=500円、中学生以下無料。月曜休館(祝日の場合は翌日)。7月30日まで。

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