富山在住のシンガー・ソングライター、W.C.カラスさんが12月21日、サードアルバム「耐えて眠れ」をリリースした。
カラスさんは2013年にアルバム「W.C.カラス」でデビュー。国内唯一のブルース専門誌「ブルース&ソウル・レコーズ」の年間ベスト・アルバム10枚に選出され、「富山から出現した革命児」として話題を呼んだ。
2015年8月にはサクソフォン奏者の梅津和時さん、モアリズム、ズクナシらがゲスト参加した2枚目「うどん屋で泣いた」、同年12月には同郷の女優・室井滋さんとコラボレートしたミニアルバム「信じるものなどありゃしない」をリリースした。
最新作「耐えて眠れ」では、これまでゲスト・ミュージシャンを招いて構成したバンド・サウンドではなく、カラスさん自身によるギターと歌のみで構成。ライブで演奏することを意識せずに曲作りを行い、一人でスタジオに入ってレコーディングしたという。
ドブロギターのスライド奏法による冒頭曲「汽笛を鳴らせ」、カラスさんの死生観が投影された「WHAT IS HEAVEN」「死隷の歌」などのオリジナル曲から、小坂忠さんの「機関車」、中原中也の詩を取り入れた友川かずきさんの「サーカス」といったカバー曲、アメリカの民謡「線路は続くよどこまでも」を独自にアレンジした「DINAH WON’T YOU BLOW」まで、演奏スタイルのシンプルさとは反比例するバラエティー豊かな内容となっている。
カラスさんは同作について、「窓も無いスタジオに一人でこもり自分の内面に入り込んだ。何もかもの心の権力を追い払い、自分のやりたいことをやったことで、声もギターの波動も良いものを収めることができた。ブルースというカテゴリーを超えるパワフルなアルバムになった」と自信をのぞかせる。
アルバムの価格は2,700円。12月29日に高岡の「グッドフェローズ」(高岡市御旅屋町、TEL 0766-28-5966)、30日に金沢の「ジェラスガイ」(石川県金沢市、TEL 076-234-0990)でライブも行う。