富山のミニシアター「フォルツァ総曲輪」(富山市総曲輪3、TEL 076-493-8815)で8月11日から、ジャンルレスの個性派作品をそろえた特別上映会「不識図Ⅵ」が行われる。
6回目となる今回は、期待の新人監督による過激なアウトロー作品からストリートアーティストのドキュメンタリーまで5作品をそろえる。
80年代に起こった「台湾ニューシネマ」の代表的監督で、「非情城市」(1989年)でベネチア国際映画祭グランプリを獲得したホウ・シャオシェンの青春映画「冬冬の夏休み」。祖父母の家に預けられることになった幼い兄弟のひと夏の冒険を、自然豊かな台湾の風景と共に描く。
グルジア(ジョージア)の天才画家ニコ・ピロスマニの半生を描いた「放浪の画家 ピロスマニ」。酒場の壁に絵を描いて日銭を稼ぐ日々を送りながらも、故郷の風土を素朴な筆致で描き続けたピロスマニ。貧しくても消えることのない絵への情熱と、一人の踊り子との悲恋を美しく静かで穏やかな映像で描く。
どん底のインディーズ映画界を舞台に、夢を諦めきれない映画監督の奔走を描く「下衆の愛」。実家暮らしのアラフォー監督が、映画界の底辺に巣くう仲間たちと共に新作映画の制作に乗り出す。主演の渋川清彦をはじめ、でんでん、木下ほうか、古舘寛治ら個性派キャストが勢ぞろいする。
実際に起きた暴力事件を、本物のアウトローをキャストに迎えて映画化したバイオレンス映画「孤高の遠吠(とおぼえ)」。「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016」でグランプリを獲得した本作は、静岡・富士宮を舞台にした不良少年たちの抗争劇を生々しい暴力描写とともに描く。
正体不明のストリートアーティスト「バンクシー」のユニークな展示を追ったドキュメンタリー「バンクシー・ダズ・ニューヨーク」。毎日一点、バンクシーがニューヨーク各地の路上に作品を残し、場所を明かさず公式サイトに投稿。人々がその作品を求めて町を駆け回る様子をとらえ、「都市や屋外や公共の場所こそアートが存在するべき。アートは市民と共にある」とのバンクシーの理念を体現する。
8月14日まで。上映時間・問い合わせはフォルツァ総曲輪HPまで。