富山市にある印刷会社「山田写真製版所」(富山市太田口通り2、TEL 076-421-1136)富山本社第2別館資料室で1月23日、「印刷物の魅力勉強会Vol.4 紙とデザイン」が開催される。
同イベントはこれまで3回にわたり、印刷の基礎やポスターなどをテーマに行われてきた。4回目となる今回では、1月13日に行われた「第57回全国カタログ展」「第67回全国カレンダー展」受賞作品を展示。「第57回全国カタログ展」で経済産業大臣賞(グランプリ)を獲得した「The Art of Bamboo 餘香」(講談社エディトリアル)は、中国人アーティストである王伝峰さん、写真家の篠山紀信さん、建築家の隈研吾さんによる作品集。本文写真ページには主に書籍用紙として使用されることが多い「オペラホワイトマックス」という紙が使われている。印刷適正が非常に悪く難しい紙とされているこの紙がなぜ選ばれ、どのように刷られたのかというエピソードを中心に、その他20以上の作品について講義が行われる。
講師は同社プリンティング・アーツ・ディレクターの熊倉桂三さん。熊倉さんは日本のトッププリンティングディレクターとして約30年間にわたり、故亀倉雄策や田中一光、永井一正さんなどのグラフィックデザイナーや故並河萬里、石元泰博などのフォトグラファーといった多くのクリエーターとともに共同作業で作品を生み出してきた。第一線で活躍するクリエーターたちが信頼を寄せる経験と知識を元に、講義が行われる。
スタッフの高智之さんは「印刷物に紙は不可欠な要素。本は趣旨に従って紙の選定を行い、色の再現性や予算に合わせた金額などから選ばれるが、デザインを基準に考えると必ずしもそういった条件だけで紙は選ばれないということが伝われば」と話す。
開催時間は10時30分~12時。同日は「山田写真製版所」内にある作品や印刷工場も見学可能。予約制。詳しくは山田写真製版所フェイスブックで確認できる。