映画「旧グッゲンハイム邸裏長屋」の公開を記念し、前田実香監督、主演の清造(※「せい」は旧字体)理英子さん、川瀬葉月(はづき)さんの舞台あいさつが9月18日、ミニシアター「ほとり座」(富山市総曲輪)で行われる。
実存する兵庫・神戸の洋館「旧グッゲンハイム邸」裏の長屋をモチーフにした同作は、長屋の住人たちが穏やかな共同生活を営んでいくストーリー。出会いと別れを繰り返しながらも、皆で食卓を囲み、コンサートを楽しむなど、何気ない日常の中にある小さな奇跡を描く。せぞちゃん役を清造さん、づっきー役を川瀬さんが務める。
兵庫出身の前田監督は、神戸芸術工科大学メディア表現学科映画専攻卒業後、神戸市内の文化複合施設で映像事業を担当。劇場や映画関連イベントの企画運営に携わったのち、神戸市のフィルムコミッショナーとして数々の作品をサポート。フィルムコミッション業務の傍ら監督を務めた「旧グッゲンハイム~」が、自身初の劇場公開作品となった。実際に長屋に住んでいたことから、当時の仲間たちを集めて製作したという。
初めて演技に挑戦したという石川県金沢市出身の清造さんは「旧知の間柄である前田監督に出演を打診されたため、『たこ焼きパーティーをしよう』と誘われた時のように軽く快諾した。演技というよりは普段のやり取りに近く、緊張はしなかった。本編では大きな出来事は何も起らず、どこからともなく集まってくる住人たちの食事シーンが多い。3年前に撮影したこともあり、コロナ禍の今に完成した作品を見ると、逆に非日常のように感じた」と話す。
富山大学に通っていた清造さんは、同館の前身ミニシアター「フォルツァ総曲輪」を訪れたことがあるという。「所属していたジャズ研究会の先輩たちの卒業コンサートを見にフォルツァを訪れたことがあり、憧れの場所のように感じていた。このような形で再訪できるのはうれしい。映画で描かれる、血の繋がった家族ではない人との暮らしを通し、それぞれの日常を感じてほしい」と話す。
舞台あいさつは10時の上映回の後、11時10分頃を予定。上映は今月23日まで。