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富山・高岡「芸文ギャラリー」で「わびさびポット」 仏具を植木鉢に再利用し展示・販売

「わびさびポット」として生まれ変わった仏具

「わびさびポット」として生まれ変わった仏具

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 展示会「わびさびポット展」が10月19日、高岡市の「芸文ギャラリー」(高岡市御旅屋)で始まった。

オリジナルパッケージの梱包例

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 職人、クリエーターらによる仏具再生プロジェクト「#SilenceLAB(サイレンスラボ)」が主催する同展示会。高岡市の仏具問屋3代目となる橋本卓尚さんが昨年1月、1950~90年代に仏具として生産されていた高岡銅器の金属工芸品約1000点を会社の倉庫で発見。「本来ならこのまま溶かされ、原材料として金属に戻ってしまうものだが、昔の職人たちが手掛けた技巧の美しさを目の当たりにし、再び市場に戻したいと思った」と企画の経緯を振り返る。

 橋本さんはクリエーティブディレクター、デザイナー、コピーライター、伝統工芸士らと共に「#SilenceLAB」を立ち上げ、過去の職人が製作した仏具に現在の職人らが着色を施した商品に再生。未来につなげることを命題として、企画を進めてきた。

 「わびさびポット」の素材は真ちゅうやブロンズなどが多く、仏壇に使われる花瓶、燭台(しょくだい)、香炉などに水抜き用の穴を開け、植物が植えられるように加工している。展示品は購入可能で、後日オリジナルパッケージで梱包(こんぽう)し配送する。

 10月23日は植え替えワークショップも開催(予約不要)。購入した「わびさびポット」にぴったりな植物を選び、植え替えが体験できる(13時~16時30分)。

 会場内は、わびさびの世界感を表現。富山在住のトラックメーカー・ヤジマタクマさんが制作したアンビエント楽曲をBGMに流す。高岡の老舗菓子店「大野屋」とのコラボレーション商品として「翡翠(ひすい)糖」も限定発売されている。

 クリエーティブディレクターの上野賀永子さんは「これだけの量の仏具が、現在までそのままの形で残っていたことは奇跡的。かつての技術に触れ、現在の技巧を重ね、これらを未来の人たちがどう思うのか。たくさんの人に来場いただき、想像を巡らせてもらえたら」と話す。31日まで。

 営業時間は11時~19時。水曜定休。

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