富山駅前でクラブ・ライブハウスを運営する「マイロミュージック」(富山市桜町2)が現在、クラウドファンディングで店舗の継続を図っている。
同社は2000(平成12)年に創業し、およそ500人が収容できるライブハウス「MAIRO(マイロ)」を「21ビル」5階にオープンした。国内外の有名アーティストから地元のバンド、DJ、ダンサー、シンガーやアイドルが出演する、さまざまなジャンルのイベントを開催してきた。2009(平成21)年、小人数収容の「小箱」と呼ばれるクラブ「MINORITY(マイノリティ)」を同ビル4階にオープン。現在は飲食店も併せて経営しているが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、マイロとマイノリティは4月8日から休業を余儀なくされている。
同社は営業再開までスタッフが他の仕事に従事するほか、営業以外の選択肢で2店舗を継続する取り組みができればと、クラウドファンディングを始めた。マイロ店長の野澤治彦さんは「音楽は、水や食糧のように、生きていく上で絶対に無くてはならないというものではない。しかし音楽を聴くことで幸せを感じ、楽しい、うれしいという明るい気持ちになれる。それが前向きに生きる糧や、頑張ろうという目標になることもある」と話す。
4月14日の時点で目標金額400万円を達成。引き続き5月10日までプロジェクトを続ける。支援金は休業中の家賃などの固定費、スタッフの給与のほか、営業再開後の運転資金に使う。返礼品には同店で使えるドリンクチケットや、イベント招待券などを用意する。
野澤さんは「自分がマイロの店長を務めていられるのは、イベントを通して多くの出会いがあり、さまざまな経験をさせてもらったから。山も谷もあったが、その全てが自分を作ってくれたと身をもって感じている。出演者、関係者、お客さんと一緒に作ってきたマイロとマイノリティを、これからも守っていきたい。皆さんも大変な時期で心苦しいが、応援、協力をお願いしたい」と呼び掛ける。