富山市中央通りのイベントスペース「HOTORI×ほとり座」(富山市中央通り1)で2月12日、脚本家・山田太一さんのドラマ作品を語るトークショーが開催される。
山田さんは1934(昭和9)年、東京・浅草生まれ。映画会社「松竹」で助監督として活躍した後、1965(昭和40)年にフリーの脚本家へと転身。高度経済成長、バブル崩壊を経た現代社会を生きる人々の心の機微を描き、「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎(りんご)たち」など数多くの人気ドラマを生んだ。
昨年11月に放映された渡辺謙さん主演の最新作「五年目のひとり」では、東日本大震災から5年後の東京を舞台に、津波で家族を失った中年男性の再生を描き話題を呼んだ。
昨年12月から今年1月にかけては、「早春スケッチブック」「想(おも)い出づくり」「男たちの旅路」の3作のシナリオが新たにペーパーバックとして刊行。今回のトークショーでは、発行人である出版社「里山社」の代表・清田麻衣子さんを迎え、山田さんのシナリオの魅力を名セリフと共に解説する。
今回の企画に際し清田さんは「『早春スケッチブック』の山崎努さんが演じる沢田の『お前らは骨の髄までありきたりだ』や、『男たちの旅路』の鶴田浩二さんが演じる吉岡の『君たちは弱いんだ。それを忘れるな』など、山田さんの本質を突く名セリフの数々は、不安定な現代こそ改めて確かめたくなるものばかり。その魅力を堪能してもらえれば」と話す。
清田さんの元同僚で、ゲスト登壇するライターのピストン藤井さんは「清田さんとは旧知の仲で、昔から山田太一ドラマの魅力を語り合っていた。清田さんが1人で出版社を立ち上げ、山田さんのシナリオ本を出版したことは感慨深い。山田さんとも交流がある清田さんならではの貴重なエピソードも披露してもらう。あまり堅苦しくなく、楽しくご紹介できれば」と話す。
16時開演。チケット料金は1,500円(1ドリンク付き)。