富山市西町交差点にある「純喫茶ツタヤ」(富山市堤町通り1、TEL 076-424-4896)が2月15日から、27年ぶりとなるモーニングメニューの販売を始めた。
1923(大正12)年創業の同店は、富山県で最も古いとされる純喫茶店。もともと現在の店舗から数メートル離れた場所にあったが、2010年の西町再開発により2年の休業期間を経てリニューアルオープンした。現在、3代目店主の宇瀬政厚さん・輝子さん夫婦と4代目にあたる息子の崇さんが、新しいスタッフ4人と店を切り盛りしている。
街なかのにぎわいが郊外部へと移った1980年代後半、同店では利用客減少に伴い創業時からあったモーニングメニューを廃止した。昨年、店前にガラス美術館などが入る「TOYAMAキラリ」がオープン。北陸新幹線開業も後押しする形で観光客が増加し、街なかも少しずつ活気が戻ってきた。
モーニングメニュー復刻に当たり4代目の崇さんは「今年93年を迎える店を100年まで残していきたい。そのためには原点回帰も必要。街なかに人が集まってきたことで、今ツタヤができることは何かを考えた」と話す。
7時から提供するモーニングメニューは、コーヒーと半トーストの付いた「コーヒーセット」(450円)のほか、コーヒー、半トースト、モーニングプレートの付いた「ブランチセット」(750円)の2種類。コーヒーは、酸味、甘み、コクをバランス良く配合した「ツタヤブレンド」を用意。紅茶やフルーツジュースへの変更にも対応する。
「モーニングを始めて以来、週末になると近所の人が散歩がてら訪れてくれることが多くなった」とスタッフの村本さん。崇さんは「昔のツタヤに来てくださっていたお客さんはもちろん、ツタヤを知らない若い方にもぜひ利用していただきたい。喫茶文化の良さを次世代にも残していきたい」と意欲を見せる。
営業時間は7時~17時(モーニングメニュー=7時~11時)。水曜定休。